角の 欠けた 柱に 差す 朝日が 木肌の 年輪を くっきり 浮かべ 何十年もの 出発と 到着を 静かに 讃える。 その光に 背を 押されて 深呼吸を 一度。 壁の 時刻表が 少し 色褪せても 手の温度で 新しい 期待が そっと 灯ります。 駅前の 桜芽が ほどける 気配に 旅心が また ゆっくり 目覚めます.
海苔の 音が ぱりりと 小さく はぜて 湯気の 立つ 塩むすびが 指先に しっとり 馴染む。 具材は 梅 昆布 鮭の 定番でも 土地の 塩気と 米の 粒立ちが いつもと 違う。 包み紙の 端に 押された 小さな 店の 印も 大切な 記憶の 目印になります。 口の 中で 朝が ふわり 始まります.
改札は ないけれど 礼儀は いつも そばに ある。 切符は 車内で きちんと 精算し ホームの 端には 近づきすぎず 列車と 人の 安全を 互いに 守る。 待つ時間を 苛立ちに しないで 風景を ノートに 写して 共有する 心の 余白を 残しましょう。 小さな 看板の 指示を 読み 合図の 音にも 耳を 澄ませます.
迷いは 失敗では なくて 景色の 余白。 三本先で 曲がる 目印を 決め 角ごとに 匂いと 音を 一言 メモする。 店の 看板 屋根の 形 花の 色 それだけで 来た道が 地図へ 変わる。 不安が 薄れ 好奇心が そっと 輝きます。 立ち止まる 角度を 少し 変えるだけで 新しい 発見が 現れます.
苔むした 石段を 数えながら 息を 整え 風鈴の 音と 木漏れ日が 心拍を 柔らげる。 手水舎で 指先を 冷やし 旅の 無事を 小さく 願う。 境内の ベンチで 靴紐を 結び直し これから 行く 路地の 方角を もう一度 優しく 確認します. 参道の 砂利音が 背を 押し 迷いの 霧が すっと 薄く なります.
川面の 反射が 地図の 白を きらり と照らし 現在地の 感覚が 体に しっかり と戻る。 風が ページを 一枚 めくるたび 行先の 候補が 新しい 光を まとい 遠回りの 勇気すら 旅の 宝物に 変わって いきます。 水鳥の 影が 斜めに 走り 時間の 流れを 優しく 示して くれます.